「大田モノ・まち BOOK 2011」発行に寄せて
2011年11月22日 16:03 - cityside - publiccomments - streetcorner (urbandesign)
『東日本大震災は、既存の社会システムが被害を助長させている側面があるという意味を含めて、潜在的な社会課題を顕在化させました。現行の社会システムの多くは高度経済成長期の社会条件をもとにつくられており、そうしたものと現状との乖離が様々な社会課題を引き起こしていることは周知の通りですが、本質的な改善がなされないままに震災を向かえてしまいました。震災からの復興は、こうした社会課題と対峙する形でなされなければなりません。
そして、「製造業のこれから」も、被災地に代表される農業や漁業のこれからと同じく、産業構造の変化から派生した主要な社会課題の1つです。高度経済成長を支えてきた製造業がこの先どうあるか、どのようにしたらそこにある芳醇さを掬い取り、未来に活かすことが出来るかは、個々の企業の課題であるとともに、社会全体の課題でもあるのです。
首都大学東京、横浜国立大学、東京大学、大田観光協会からなる本研究会は、そうした製造業をめぐる諸問題を、まずはしっかりと「社会課題」として捉え、都市計画やまちづくりの手法を用いて地域のなかに位置づけ直そう、という試みでもあると私は理解しています。
現在の社会課題の多くは、リーダーやヒーローの登場によって一息に解決出来るような一元的な性質のものではありませんから、まずは一人ひとりの市民が課題を共有し、その主体者となるところからはじめるより他はないように思います。もちろん、課題は新たな可能性の萌芽でもあると信じています。』(『大田モノ・まち BOOK 2011』より)
田中裕人



