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多摩川アートラインプロジェクト

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ボールパークが呼んでいる

2008年5月16日 09:51 - cityside (life)

神宮2

 友人と神宮前の交差点で待ち合わせたところ、ヤクルト対中日戦がやっていたので、神宮球場に行くことにした。夕暮れの神宮球場でビールと焼き鳥と枝豆、そして、31アイスクリームのチョコレートミントは至福の時だ。初回に中日のエースの川上憲伸が打ち込まれ、背番号11のひと際大きな背中からは辛さが滲み出ていた。神宮の内野では席の移動はしたい放題なのだけれど、それでも僕は必ずS席を購入することに決めている。いつなくなるともしれない現在の神宮球場に、僕なりに1票を投じる必要があるのではないかと考えているからだ。

 さて、話は変わるけれど、今朝のテレビのニュースショーで夏目雅子が『徹子の部屋』に出ているVTRが流れ、司会の黒柳徹子が「あなた、お母さまと仲がおよろしいんですって。」と言うのに対して、ゲストの夏目雅子が「ほら、あの人、上州でしょ。空っ風なのよ。」と応えていたのには、驚いた。
 まず、上州と空っ風という連想が上州出身ではない当時20代中盤の夏目雅子にも公然の了解事項としてあって、それが出身者の気質と結び付いているというローカリズム(「かかあ天下と空っ風」というのは、群馬県で養蚕が盛んだったことに由来した女性の芯の強さや立場の強さを表しているらしい)がたかだか20数年前まで共有されていたということに軽い衝撃と懐かしさを覚えた。それだけではない。インタビュー中、ふたりは敬語らしい敬語をほとんど使わなかった。夏目よりも黒柳が20歳は年上であろうことを考えると現在では考えられないような会話のリズムが翻訳語を聴いているようで新鮮に響いて、だから思い出したのだが、それは夏目雅子に限ったことではなくて、先日、『NHKアーカイブス』だかそれに似たテレビ番組を見た時にも、若き日のつかこうへいや石原慎太郎や彼らに対するインタビューアーは、やはり相互にそのような話し方をしていた。(「皆はそんなこと言うけど、僕は気にしてないんだ。」というような。)
 一般に日本語は場の言語であると言われる。歴史的に、日本語には何を言っているか(発言内容)よりどう言っているか(発言態度、または言外の意)が重視される傾向があって、構造的にも抽象的な物言いには向いていないからだ。実際、僕も普段は、思考のリズムが途切れることや、内容と態度を混同されることや、態度が議論の率直さを妨げることを避ける為に、敢えて敬語を減らしたり、スピーチを言い切り調にするのにわざわざ翻訳調の原稿を読んだりというような工夫を強いられているので、先の黒柳徹子に対する夏目雅子のような物言いが公共の発言として可能だったことは羨ましいし、言語の問題としても非常に興味がある。端的に言えば、20数年間における場の変容ということになるのだろうが、それは著名人とインタビューアーの関係性というだけには留まらない、もっとずっと広い日本語を取り巻く環境という場の変容なのではないかと思う。

H.

About Tanaka Hiroto

Self-Consciousness:
エリアデザイナー、活動家、小説家
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エリアデザイン、市民活動、企業経営
Lifework:
海、アート
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散歩、写真、ピクニック
Longing:
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