W./L.B.の行方 vol.2
2007年9月 1日 13:43 - cityside (life)
このまま、秋になるのだろうか。
昨日、経済財政諮問会議による「ワーク・ライフ・バランス憲章策定作業部会」が開かれたので、今、その資料に目を通している。さすがに内閣官房。資料に使われている文言への目配りはなかなかのものだが、肝心の動機付けと具体的方策の部分が、相変わらずまったくよく解らない。
1)
動機付けについてだか、これはずっと言い続けて来た通り、そもそも、対労働力減少(「量」)の為の方策として、ワーク・ライフ・バランス(「質」)が取り上げられるレトリックが、いかなる意味においても、未だに理解出来ない。
2)
具体的方策については、就業率(特に若年者・既婚女性・高齢者)の向上と労働時間の短縮という2項目について、企業が目指すべき目標値を設定しているようだが、これは2つの意味で実現し得ない。
第1に、企業が、雇用数の拡大と労働時間の縮小を、賃金を維持したままに行うのは不可能だ。第2に、仮に法令化されたとして、数値目標を達成出来るのは大企業だけであることは目に見えている。というのも、本社の目標達成の皺寄せを現地法人の安価な労働力によって吸収出来るからであって、結果、助成金の無駄使いと、労働市場の海外流出の加速を招くに過ぎない。
数量的目的の為の方策として、質の概念を持ち出し、その効果測定を単純な数量で行おうというのは、いったい何なのか。
数量的価値が、今や、国家の重要な側面となり、大企業の唯一の存在意義となっていることは、抗い難い現実ではある。しかし、そもそもそうしたものとは違った側面の可能性を探る概念であるはずのワークライフバランスは、個人の、しかも数量的価値とは別のあり方を模索する個人の為のものであり、そうした概念を支援することによって、多様的な価値が共存する社会へと1歩でも近付くものであって欲しい。
そういうわけだから、もちろん、法令や助成のあり方も、例えば、起業支援・子育て支援・住宅手当・零細企業に対するリクルート支援といった個別的な個人に根差したものにすべきだ。制度に則っていない為に公的援助は得られないが、それ故に素晴らしいワーク・ライフ・バランスを実現している中小企業を、僕は数多く知っている。それは、圧倒的多数を占める数量的価値を希求する世界とは別のフィールドでの出来事かもしれないが、全労働人口の7割が、そうした価値の転換の可能性を孕んだ中小企業や個人事務所に働いていることを軽視すべきではない。
H.


